日本地球化学会年会要旨集
2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
会議情報

S2 太平洋プレートの変遷史
西太平洋海山群のSr, Nd, Pb同位体組成、Ar-Ar年代
*神藤 裕哉平野 直人町田 嗣樹森下 泰成角野 浩史
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 66-

詳細
抄録

白亜紀に形成された短寿命ホットスポット火山列が密集する西太平洋海山群(WPSP)に位置する、南鳥島、上田海嶺及び小笠原海台の中央海山において、古第三紀の噴火年代を示す溶岩の存在が初めて報告された。小笠原海台と南鳥島の基盤は白亜紀には既に存在していたが、火山活動の時間スケールの観点から、これらは一連の火山活動ではないと予測できる。そこで、本研究では古第三紀の溶岩試料について、酸処理を施して分析したSr, Nd, Pb同位体組成とAr-Ar年代を基にした噴出場の復元から、これらの海山を形成したマグマの起源について考察した。また、白亜紀のホットスポット海山列の一部と考えられている4海山の試料についても同様の分析を行った。結果として、古第三紀の南鳥島と中央海山の試料は、同位体組成、噴出場ともに、白亜紀のホットスポット海山の示す特徴とは明瞭に区別され、周囲の白亜紀の海山とは異なるマグマを起源とすることが明らかとなった。

著者関連情報
© 2022 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top