湖沼は、生物性シリカ(BSi)の生成によりケイ素のシンクとして働くため、陸域から海洋へのケイ素フラックスに及ぼす湖沼の役割が注目されており、珪藻の生成による湖沼内でのBSiの除去と、堆積後の再生過程に関するフラックス推定は重要である。本研究では、国内8か所の湖沼にて季節別・深度別に採取調査を実施し、湖水中の溶存ケイ素濃度(DSi)の計測値を基にケイ素の動態について考察した。DSiの鉛直分布は多くの湖沼で表層から深層にかけておおむね一定の値を示し、DSi総量は夏期に減少し6月または8月に極小値を示すという傾向が認められた。