日本地球化学会年会要旨集
2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
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G6 宇宙化学:ダストから惑星、生命へ
太陽系小天体内での核酸塩基類の安定性の評価
*菊地 智紀小林 憲正癸生川 陽子依田 功小栗 慶之福田 一志
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キーワード: 核酸塩基類, γ線
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p. 118-

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抄録

地球外に多様な有機物が見つかっており、生命誕生への地球外有機物の寄与が注目されている。核酸塩基の生成の場としては分子雲中の星間塵が考えられている。隕石中の核酸塩基類の存在から、星間で生成された有機物は太陽系生成時に小天体内部に取り込まれ、その後に隕石などにより地球に供給されたと考えられる。本研究では小天体内部での核酸塩基類の安定性を検証するため、小天体を模擬した物質(ホルムアルデヒド:アンモニア:水)に核酸塩基類(アデニン,チミン,グアニン,シトシン,ウラシル)を加えγ線照射(60Co線源)を行い逆相HPLCによって分析した。塩基の種類によって安定性に差がみられ、プリン塩基のほうがピリミジン塩基よりも残存していた。実際の小天体環境では26Alの崩壊がほぼ終了する前には液体がほぼなくなっていたと考えられ、固体での安定性も調べる予定である。

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