主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
回次: 70
開催日: 2023/09/14 - 2023/09/24
p. 127-
現代の海洋で最も豊富な遷移元素であるモリブデン(Mo)の同位体比は、マンガン(Mn)酸化物の吸着によって支配されている(Siebert et al. 2003)。現代の酸化的な海洋では結晶構造が異なる複数のMn酸化物が存在することが知られているが(Post 1999)、Mn酸化物の構造がMo同位体分別に与える影響は明らかになっていない。本研究では海洋に存在する代表的なMn酸化物(δ-MnO2、バーネサイト、トドロカイト)を合成し、構造の違いがMo同位体分別に与える影響について調査した。マンガン酸化物の合成方法は、δ-MnO2はFoster et al. (2003)、バーネサイトとトドロカイトはMin and Kim(2020)に従って合成した。XRD、TG/DTA、XAFS測定により鉱物を同定した。吸着実験はpH8、イオン強度0.1M(KNO3)で、初期Mo濃度を変化させて行った。試料を酸分解し、97Mo-100Moのダブルスパイクを添加した後、陰イオン交換樹脂を用いてマトリックスからMoを精製した。Mo同位体比はMC-ICP-MSを用いて測定した。δ-MnO2とトドロカイトのMo同位体分別の大きさは同程度であり、以前の研究で報告されたバーネサイトの分別とも一致した。この結果はMo同位体比がMn酸化物の生成環境よらず一定であることを示唆する。