日本地球化学会年会要旨集
2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
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G2 環境地球化学・放射化学
人形峠ウラン鉱山跡地周辺におけるラジウムの地球化学的研究
*田中 万也栗原 雄一富田 純平山﨑 信哉徳永 紘平香西 直文
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キーワード: ラジウム, 人形峠
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p. 16-

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抄録

人形峠ウラン鉱山跡地周辺におけるラジウム(Ra)の地球化学的挙動評価を行うために堆積物及び水試料を採取し、Ra-226放射能濃度の分析を行った。堆積物は、主にフェリハイドライトやゲーサイトなどの鉄水酸化物からなることがXRDやXAFS分析などから分かった。堆積物と水試料のRa-226濃度分析結果から見かけのRa固液分配係数を見積もったところ、鉄水酸化物に対して報告されている実験値よりも一桁から二桁程度高い値が得られた。すなわち、鉄水酸化物と表層水の間の単純な吸着平衡では堆積物中のRa-226濃度を説明できないことが分かった。現在のところはっきりとした要因は分からないが、堆積物中に微細な鉱さい片が含まれているか、もしくは下層堆積物間隙水からの拡散によるRa-226供給が可能性として考えられる。

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