海洋プレートの実態は、オフィオライトや低速拡大系に産する岩石を用いて議論されてきた。一方、海洋に産し、高速拡大海嶺で形成した典型的と言える海洋プレート物質の露出は限られる。本発表ではマントル掘削の先駆けとして、プチスポット火山に産する玄武岩質、ドレライト質、および斑レイ岩質捕獲岩の全岩・鉱物化学組成、Sr, Nd, Pb同位体組成および岩石記載結果を報告する。捕獲岩の全岩化学組成は典型的な中央海嶺玄武岩と概ね一致した。また、ドレライト捕獲岩の一部は記載岩石学的特徴として、高速拡大海嶺起源のドレライトに類似した“グラノブラスティック”組織を示すため、捕獲岩採取地点である約135 Maの海洋地殻は、高速拡大海嶺で形成されたと推定した。このように地殻由来捕獲岩と同母岩に産するマントル捕獲岩の情報を統合し、疑似的なモホール計画が可能である。一方、捕獲岩は深さ情報の抽出が容易ではないため、マントル掘削に期待がかかる。