日本地球化学会年会要旨集
2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
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G8 地球深部から表層にわたる元素移動と地球の化学進化
オマーン掘削プロジェクトで得られた地殻ーマントル境界コア試料のOs同位体比と白金族元素組成の変化
*仙田 量子鈴木 勝彦森下 知晃
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p. 168-

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抄録

海洋プレートは上部マントルによって産み出され、この海洋プレートや地球内部に存在する上部マントルの構造とその進化を知ることは、地球の物質循環や現在の全地球システムを理解するために重要である。ここでは、地殻―マントル境界を掘削したオマーン掘削計画のCMサイトの試料を用いて、親鉄元素である白金族元素及びOs同位体組成の分析から、地殻―マントル境界の物質移動やマントル最上部のメルト抽出年代を見積もることを目的とした。CMサイトのハルツバーガイトは白金族元素組成が比較的フラットでOs同位体比の低い傾向を示す。これに対し、ダナイトは白金族元素の濃度幅が大きく、Os同位体比も比較的高い値を示し、メルトと共存したという形成条件を窺わせる。下部地殻を形成するはんれい岩の結果も合わせ、地殻―マントル境界での比較を行う。

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