日本地球化学会年会要旨集
2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
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S3 地球化学全般(地球化学の融合セッション)
安定同位体分析を用いたモンゴル高原における季節的な水質変動解析
*益木 悠馬横山 壽人Davaasuren Davaadorj由水 千景陀安 一郎勝田 長貴
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p. 229-

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抄録

モンゴル高原中西部のオルゴイ湖及びブンツァーガン湖(以下BT湖)流域は、シベリア連続永久凍土地帯の最南端に位置し、近年の温暖化に伴う永久凍土縮退の最前線である。本研究は、凍土融解の季節的変動と永久凍土分布が流域の水に及ぼす影響の評価を行った。BT湖流域のイオン濃度は、5月の融解期に永久凍土地帯の最南端で顕著な増加が見られた。水の硫酸イオンの硫黄・酸素同位体比に基づく硫酸イオンの起源推定から、2月の河川水及び湧水は1つの湧水を除いて土壌起源、5~8月の河川水及び湧水は2月に比べて地質起源が支配的であった。これは、5~8月の融解期と降雨期における浸食作用の強化と、それに伴う、流域原岩中の硫化物酸化の強化に起因することを示唆する。また、2湖沼の水の硫酸イオンの硫黄・酸素同位体比は、河川水や湧水に比べて顕著に高い値を示し、当該地域の湖水は地下水流入に支配されると共に、その地下水は活動層中の硫酸還元影響を強く受けていることを示唆する。

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© 2023 日本地球化学会
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