日本地球化学会年会要旨集
2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
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G2 環境地球化学・放射化学
福島県で捕獲されたニホンザルにおける129I・137Csの時系列変化と土壌深度分布との関係
*長岡 壮太福本 学鈴木 正敏木野 康志岡部 宣章大野 剛深海 雄介
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p. 37-

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抄録

福島原発事故により放出された放射性核種は、2023年現在でも環境中に残存している。本研究では、陸生態系内での放射性核種の動態に関する考察の一例として、福島県で捕獲されたニホンザル、および土壌について129I濃度、および137Cs濃度の測定を行った。土壌は深度別に測定を行い、土壌表層における放射性核種の半減期と、サル中放射性核種の生態学的半減期との関係性等を検討した。その結果、ニホンザル中の129I/127I比は捕獲日が新しくなるにつれ減少しており、その速度は表層土壌における129Iの減少速度と近いことが明らかになった。またサル各個体の129I/127I比と捕獲地点から最も近い地点における土壌試料の129I/127I比とを対応させると、両者は正の相関を持つことも明らかになった。総じて、ニホンザル中の129I量は表層土壌における129Iの減衰や汚染程度を反映していることが示唆された。

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