主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
回次: 70
開催日: 2023/09/14 - 2023/09/24
p. 38-
海洋堆積物に記録されたCr同位体比(53Cr/52Cr)は過去の海洋や大気の酸化還元状態を示す可能性がある。一方, 海洋中のCrの供給源である河川と海洋を繋ぐ汽水域ではCrの挙動や同位体比の変動に関する知見が不足している。本研究では汽水域の河床堆積物間隙水中でのCrの挙動を全CrおよびCr化学種の定量により調査した。分析の結果, 還元的条件ではCr(Ⅵ)がCr(Ⅲ)に還元されて沈殿するが, 有機物に富む堆積物では還元されたCr(Ⅲ)が有機錯体として溶存している可能性が示唆された。また, 汽水域のような高Cl-共存下においてもCr化学種の同時定量を行えるHPLC-ICP-MS法の開発を行った。