主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
回次: 70
開催日: 2023/09/14 - 2023/09/24
p. 48-
本研究は、東シナ海大陸棚縁辺域において、セジメントトラップ実験により得られた沈降粒子および表層堆積物中の241Am、239+240Pu、210Pb濃度と240Pu/239Pu同位体比を測定し、大陸棚縁辺域における241Amのスキャベンジング過程を明らかにすることを目的とした。結果として、セジメントトラップ係留深度が増すにつれて沈降粒子中の241Am濃度が増加した。この増加傾向は210Pb濃度の増加とよく一致した。この結果は、水深が深くなるにつれて241Amと210Pbが沈降粒子に蓄積していることを示している。この粒子による除去は、ネフェロイド層において繰り返される再懸濁と陸棚斜面を下方輸送される微細粒径の粘土粒子などに241Amと210Pbが吸着して起こっていると考えられる。