日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G6 宇宙化学:ダストから惑星、生命へ
連続抽出によるマーチソン隕石中のモノカルボン酸の分析
*三村 耕一山田 莉緒前島 夏季河村 公隆Bhagawati Kunwar橋口 未奈子
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p. 124-

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抄録

数多くの研究により、隕石に含まれる有機物の起源や進化過程が明らかにされてきた。しかし、この隕石の有機物については、少なからず未解決の問題が残っている。例えば、隕石中の全有機炭素のうち約40%もの未同定炭素(missing C)の存在場所、隕石中の有機物の不溶性有機物(IOM)と可溶性有機物(SOM)の関係などである。本研究では、SOM中に最も多く含まれるモノカルボン酸(MCAs)に着目し、溶媒の極性と抽出手法を変えることにより、マーチソン隕石からMCAsを3画分(F1からF3)に分けて回収した。F1には隕石中に分散しているMCAsが、F2には水に可溶な鉱物中に取り込まれたMCAsまたはIOMに吸着されたMCAsが、F3にはIOMの加水分解で生成したMCAsが含まれると予想される。画分ごとに、抽出されたMCAsの化学組成と炭素同位体比を測定し、MCAsのmissing Cに対する貢献度と、MCAsとIOMの関係を検討した。

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