主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
回次: 71
開催日: 2024/09/18 - 2024/09/20
p. 125-
リンは地球の生命にとって最も重要な元素の一つであり、リンを含んだ有機分子は化学進化研究においても注目されている。これまで太陽系物質から数多くの有機分子が発見されている一方で、リンを含んだ有機化合物の報告例は乏しく、その分布や起源、初期地球への供給可能性については議論が進んでいない。本研究は、イオンクロマトグラフとオービトラップ質量分析計を組み合わせたイオンクロマトグラフィー/高分解能質量分析法による有機リン化合物の分析手法の開発を目的とした。分析条件の最適化の結果、~10 femto molスケールの有機リン化合物の検出を可能にした。本研究で開発した手法をもとに小惑星試料を含む太陽系物質を分析することで有機リン化合物を検出・定量し、太陽系における有機リン化合物の化学的な多様性、定量的な評価と分子進化、そして初期地球への供給について議論できる可能性が示された。