主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
回次: 71
開催日: 2024/09/18 - 2024/09/20
p. 142-
月などの大気の無い岩石天体の表層数メートルでは、銀河宇宙線が引き起こす核破砕反応により中性子が発生する。発生した中性子のエネルギー分布(中性子スペクトル)は周囲の原子核との相互作用によって変化するため、149Sm(n,γ)150Sm, 157Gd(n,γ)158Gdなどの中性子捕獲反応に伴う同位体変動として記録されている中性子スペクトルの情報から惑星物質の宇宙線照射環境の履歴を推定することができる。この中性子スペクトルの復元は、熱エネルギー領域(<0.5 eV)に関してはSm, Gd同位体を利用する方法が確立され様々な惑星物質に応用されているが、熱外エネルギー領域(0.5 eV-0.5 MeV)についてはEr, Yb, Hf同位体による先行研究が数例あるのみで、そのスペクトルの復元方法は未確立である。本研究では、熱外領域を含む中性子スペクトルの復元を目的として、それぞれ1.10, 2.39 eVと7.78 eVに顕著な中性子捕獲断面積の共鳴を示す177Hfと178Hfを同位体に持つHfについて、月隕石試料の同位体分析を行った。