日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G1 大気とその境界面における地球化学
Δ17O法を用いた猪苗代湖における窒素循環の経年変化定量
*中川 書子山口 圭一松本 佳海三歩一 孝伊藤 昌稚角皆 潤
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p. 15-

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抄録

本研究では、20年ほど前からpHの上昇が始まり、中性化することによって湖内の一次生産をはじめとした生物活動が年々活発化している可能性が予想される猪苗代湖(福島県)において、2022-2023年に湖水調査を実施して湖内の総硝化速度や総同化速度などの窒素循環速度を三酸素同位体組成法(Tsunogai et al. 2018)を用いて定量化し、これを2014-2015年の結果と比較することで変化の実態を解明した。その結果、猪苗代湖の一次生産は活発化しているが、硝化は未だに活発化しておらず、湖水中に豊富だった窒素栄養塩の多くは有機態窒素となって堆積物に蓄積しているものと考えられた。

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