日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G8 地球深部から表層にわたる元素移動と地球の化学進化
強親鉄性元素含有量から探る太古代後期のマントル進化
*佐藤 隆石川 晃横山 哲也上野 雄一郎秋澤 紀克Fiorentini MarcoThébaud Nicolas
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p. 187-

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抄録

現在の地球マントル中の強親鉄性元素は、コア-マントル間の分配係数から推定される濃度に比べて過剰に存在することが知られており、コア分離後に地球へ降り注いだ小天体によりマントルへ付加されたとする説が提唱されている。しかし降着時期や規模、あるいはどのようにしてマントルへ混合したかはいまだ制約されていない。一方、太古代マントルの情報を保持するコマチアイトを対象とした研究によると、太古代マントル中の強親鉄性元素濃度は現在より乏しく、太古代後期にかけて上昇した可能性が指摘されている(Maier et al.2009)。しかしながら、世界各国に多数存在する27億年前のコマチアイトは強親鉄性元素濃度にバリエーションがあることが知られており、太古代末にかけて地球にどのような変動が生じたのかは不明瞭である。本研究では27億年前のマントル不均質性の実態を理解することを目的に、西オーストラリア、Yilgarn Craton 東部の世界的なニッケル・銅の硫化物鉱床のホストとして知られるAgnew Wiluna緑色岩帯に広く分布する一連のコマチアイト層に着目し、当時のマントル進化について議論する。

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