日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G1 大気とその境界面における地球化学
水素同位体比を指標に追加した外洋表層水中の過剰メタンの起原の解明
*高田 幸太郎角皆 潤中川 書子伊藤 昌稚佐藤 晋太郎亀山 宗彦
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p. 2-

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抄録

メタンは一般に嫌気的環境で生成され、好気的環境で酸化分解されるという特徴をもつ。しかし海水は表層水を中心に大気平衡よりもメタンが過剰に溶存してており、古くからこの矛盾は「メタンパラドックス」と呼ばれてきた。本研究は炭素同位体比に加えて水素同位体比を測定し、外洋海水中の過剰メタンの供給源の解明に挑戦した。表層海水中の試料の多くは大気平衡状態と比べてメタンが過飽和となっていることが確認出来た。海水中の過剰メタンの水素同位体比を求めたところ、平均-54.7 ‰となった。そして、本研究が世界で初めて明らかにした過剰メタンの水素同位体比値は、平均-29.4 ‰となった。本研究で観測した高い水素同位体比は沈降粒子内の還元環境下で生成したメタン酸化的な海水中に放出される過程で進行した酸化分解に伴う残渣効果が原因であると考えられる。

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