日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G1 大気とその境界面における地球化学
北半球中高緯度における大気中N2Oアイソトポキュル比の時空間分布
*豊田 栄笹川 基樹町田 敏暢遠嶋 康徳吉田 尚弘
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p. 3-

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抄録

北半球中高緯度においてN2Oアイソトポキュル比の緯度・高度分布と長期変動を明らかにし,N2Oの発生・消滅動態を解析することを目的とした定点観測を行った。沖縄・波照間島(高度47m)およびロシア・ノボシビルスク上空(500 mおよび7000 m)で2005年から2022年までの期間において,濃度の増加に対応してバルク窒素同位体比(d15Nbulk)は約0.05‰/年,酸素同位体比(d18O)は約0.03‰/年で減少した。一方15N-site preference (SP, NNO分子内中央と端のNについてのd15Nの差)は,有意な長期変化は認められなかった。長期変動傾向を詳細に解析したところ,ノボシビルスクでは2010-2016年にN2O濃度の高度差の増加および各高度におけるアイソトポキュル比の短期的変動がみられ,地表発生源や成層圏起源N2Oの寄与率変化が示唆された。

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