マグマの酸素雰囲気はメルトや鉱物の化学組成を支配する重要な要素の一つであり,火山ガラス中の鉄の価数比を用いて制約することが出来る.高エネルギー加速器研究機構のBL-4Aで利用できるμ-XANESを用いることで,数μmの空間分解能で鉄の価数比を決定することが可能だが,微小なメルト包有物の分析の場合,表面露出の包有物を分析していても奥行き方向に存在する母相由来の信号を検出する場合がしばしばある.この問題を解決するため,本研究では集束イオンビーム(FIB)を用いて,分析対象領域を予め微小切片として切り出しての分析法を検討した.福徳岡ノ場軽石から3-5μm厚の切片を切り出してCuのホルダーに取り付けてXANES分析を行ったところ,鉄の価数比は既報の値とよく一致しており,イオンビーム加工の火山ガラスへのダメージは無視できるものと考えられる.