主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
回次: 71
開催日: 2024/09/18 - 2024/09/20
p. 237-
天然水試料に含まれる溶存無機炭素(DIC)の炭素同位体比(δ13C、14C濃度)は、採取後の保存中に微生物によって変化するので、天然水試料には殺菌処理が必要である。安全で扱いやすい殺菌剤として塩化ベンザルコニウム(BAC)が利用できる可能性を筆者らは評価してきたが、BACは海水では効果が小さくなることが報告されている。本研究では、海水でBACの殺菌効果が低下する理由を明らかにするため、名古屋市藤前干潟で採取した海水と茨城県つくば市で採取した地下水を用いて水試料の塩濃度とBAC添加量による殺菌効果の違いを評価し、水試料でBACが作用する過程や相互の影響について考察したので、これを報告する。