日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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S3 太平洋プレートの変遷史~深海底からマントルまで
Nd同位体比に基づく新生代太平洋遠洋域の海洋循環復元:現状と課題
*田中 えりか見邨 和英安川 和孝大田 隼一郎中村 謙太郎宮崎 隆ヴァグラロフ ボグダン加藤 泰浩
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p. 258-

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抄録

海洋循環 (特に熱塩循環) は、大陸配置、海峡の開通・閉鎖に伴い、大きく変化し、地球上の気候に大きな影響を与えてきた。これまで、このような過去の海洋循環を復元するためのプロキシとして、海水中のNd同位体比が広く利用されている。特に、過去の海水のNd同位体比は、魚類の歯、マンガン酸化物、有孔虫 (それに付着するマンガン酸化物粒子や有機物) に記録されていると考えられており、それらの値をコンパイルすることで、いつどの海域にどこから由来する海水が影響しているかを議論することができる。太平洋域では、これまでに、炭酸塩堆積物中の有孔虫や魚類の歯、マンガンクラスト、遠洋性粘土中の魚類の歯を使用した研究がなされている。本発表では、遠洋性粘土を用いた海洋循環復元に着目し、従来研究の問題点と、今後の海洋循環の議論を行う上での課題について議論を行う。

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