日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G2 環境地球化学・放射化学
島根県宍道湖および中海湖底堆積物を用いた水銀負荷起源の変遷の推定
*吉川 晴琉井上 佑華香月 興太谷水 雅治
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キーワード: 水銀, 湖底堆積物
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p. 34-

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抄録

環境への水銀放出における人為活動の影響を把握する上で、水銀濃度を時系列に記録している湖底堆積物は有用である。本研究では島根県宍道湖および中海湖底堆積物における水銀濃度を深さ方向に測定することで、年代ごとの水銀負荷起源を推定することを試みた。その結果、宍道湖および中海湖底堆積物における水銀濃度の時系列変化のデータには2つのピークが共通して観測された。1つ目は1930年代後半のピークであり、これは島根県山間部に位置する宝満山銅鉱山の鉱山排水が中海と宍道湖に輸送された際に、鉱石鉱物に含まれる水銀が流入した結果であると考えられる。2つ目は1960年代前半のピークであり、これは日本で1950 年から1970 年の間に水稲用殺菌剤として用いられていた酢酸フェニル水銀が斐伊川を経由して宍道湖および中海湖底に堆積した結果であると推測される。

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