日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G3 海洋の地球化学
東部インド洋における銀を含む微量金属元素の挙動の解明
*西谷 佳祐黄 国宏小畑 元眞塩 麻彩実長谷川 浩
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p. 51-

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抄録

現代の海洋において、微量金属元素は、生物学的取り込み、沈降有機物の再溶解など、多くの海洋プロセスに関係する。特に銀 (Ag)は、産業の発展によりnMレベルの流入でも水生生物に対して高い毒性をもつことが報告されている。環境水中における溶存態のAgの濃度分布を解明することにより、Agが海洋生態系に与える影響の予測を可能にすることが期待できる。本研究では、人口増加及び工業化が著しいインド等に面するインド洋東部におけるAgを含む微量金属元素を定量し、Agを中心に挙動を考察した。 Agの濃度は, 表層から深層にかけて増加する栄養塩型の濃度分布となり、ケイ酸塩と強い正の相関関係を示した。他の栄養塩型の濃度分布を示す、カドミウム(Cd)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、及びニッケル(Ni)の濃度分布との比較により、Ag とCuの濃度分布が類似していることが分かった。

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