主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
回次: 71
開催日: 2024/09/18 - 2024/09/20
p. 52-
本研究では、東インド洋88°E測線(16°N-20°S)のクロロフィル極大深度において懸濁粒子を採取し、ヘムBの定量分析を行った。粒子態ヘムB濃度とheme B/POCは、ベンガル湾で特異的に高い値を示した。ベンガル湾には風成塵、河川水、沿岸堆積物由来の鉄が豊富に供給されるため、微生物群集による鉄の同化が活性化し、炭素固定量に対するヘムB合成量が増加したと考えられる。ヘムBが微生物細胞中の鉄の18%を占める仮定のもと計算したbiogenic Fe/POCは、放射光分析によって得られた真核藻類の値と比べて、ベンガル湾内にて顕著に高くなっている。これは、放射光で分析されていないピコプランクトン群集にbiogenic Feが濃集している可能性を示唆する。ピコ粒子に濃集した鉄は効率的に再生産され、有光層内に保持されるはずである。ベンガル湾の特徴である中規模渦によるイベント的な一次生産を支える上で、この鉄プールが重要な役割を果たすと考えられる。