日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G4 初期地球から現在までの生命圏の地球化学
太古代海底熱水活動による玄武岩質海洋地殻内でのリンの挙動とリン供給源としての重要性
*塚本 雄也掛川 武
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キーワード: リン, 海底熱水活動, 太古代
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p. 96-

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抄録

本研究は太古代の玄武岩質海洋地殻中での海底熱水活動によるリンの挙動を鉱物学的・地球化学的に検証した。その結果、海底熱水変質を被った部分のリン濃度はそうでない部分と比較して著しく低く、リン鉱物も初生的なアパタイトから二次鉱物と考えられる他のリン鉱物へと置き換わっていた。このことから当時の海底熱水活動に伴い、玄武岩質海洋地殻からリンが溶脱していることがわかった。さらに観察された鉱物からこの熱水のpHと温度範囲を見積もった。そしてその熱水によるアパタイトの溶解度計算から当時の熱水中のリン濃度は最低でも現在の平均海水リン濃度と同等、最高でその1000倍ほど高かったことが示された。さらに、実際に観察した岩石中のリンの溶脱率を用いて海底熱水活動によるリンのフラックスを求めた結果、現在の海洋への主要なリン供給源である大陸風化と同等であった。本研究により、太古代の海底熱水活動が主要な海洋へのリン供給源であることが実証された。

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