シリコンカーバイトSiCは、隕石中に存在する主要なプレソーラー粒子の一つである。プレソーラーSiCの大部分(~93%)はAGB星起源であると考えられている。今回、我々は、SiC1粒子ごとのHeの3次元濃度分布を得ることに成功し、Heの注入パターンについて考察し、SiCの希ガスの起源と歴史を推定した。本研究で測定したSiC粒子は全てメインストリーム粒子に分類された。3次元分布より,HeはSiC粒子の極表面(表面下300 nm以浅)から検出された。内3つのSiC粒子からは、深さ50~100 nmの所にHe濃度のピークが検出された。これらの結果は、Heが2~4 keV/nucleonのエネルギーで粒子表面から注入されたことを示している。測定されたHeフルエンス(1 ×1012 ~ 2 ×1015 atom cm-2)より、メインストリームSiC粒子は、AGB星が惑星状星雲中心星に進化する前の百万年間の期間にAGB星の周りで形成され、より外側の星周空間へと運ばれていき,惑星状星雲の中心から0.3~30光年の距離のところで惑星状星雲中心星の星風に曝された。