炭素質コンドライトDOM 08006(CO3.0)のマトリクス領域(5800 µm²)において酸素同位体分析を行い,プレソーラー酸化物2個および珪酸塩25個を同定した.プレソーラー粒子存在度は約330 ppmと同試料の先行研究の約1.4倍であった. Alに富む欠陥スピネル構造を持つ2つの粒子からなるプレソーラー酸化物を見出した.この粒子は,Ca, Feを含む大きな粒子に, CaやFeを含まない小さなδアルミナ粒子が付随していた. このδアルミナは, その場分析による初のプレソーラー準安定アルミナの同定例である. AGB星周でδアルミナが凝縮したのちCaを含む粒子が形成し, その後Feガスと反応したと推定される.欠陥スピネル構造をもつδアルミナは,欠陥に様々な金属イオンを取り込めるため,周囲のガスと反応して多様な酸化物を形成し,Alに富む酸化物ダストのスペクトルの多様性を生じさせている可能性がある.