主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
回次: 72
開催日: 2025/09/07 - 2025/09/19
p. 120-
CIコンドライトは、超揮発性元素を除くと、太陽の組成と極めて類似していることから、太陽系始原組成を代表する標準物質として長らく用いられてきた。一方で、小惑星リュウグウおよびベヌーから回収された帰還試料の分析により、それらの鉱物組成・化学組成・同位体組成がCIコンドライトと高い類似性を示すことが明らかとなった。しかし、小惑星帰還試料については、分析数が非常に限られているという課題がある。また、隕石には、地球大気中での二次変質や長期保管中の変質、さらに測定対象となる隕石片の違いによるデータバイアスといった別の問題も指摘されている。信頼性の高い太陽系始原組成を導出するためには、CIコンドライトと小惑星帰還試料を同一条件下で網羅的に分析・評価する必要がある。本講演では、小惑星帰還試料およびCIコンドライトの元素組成に関する最新情報をレビューし、太陽系始原組成の再構築に向けた今後の展望について概説する。