コンドリュール結晶化時の冷却速度の推定は、原始太陽系星雲内でコンドリュールを生成した加熱現象の種類を特定するための重要な課題とされてきた。これまでコンドリュールの結晶組織・結晶のゾーニングや微量元素含有量・揮発性元素の蒸発速度などに基づき冷却速度が推定されてきたが、徐冷(数℃から数百℃/h)から急冷(数千℃/h)まで意見が分かれ未だ特定に至っていない。本研究では最も主要である斑状タイプのコンドリュールに典型的な結晶組織を、メルトを浮遊させて行う結晶化実験により再現し、冷却速度の特定を試みる。実験の結果、数百℃/h程度の徐冷を経た試料には、オリビン同士が接触しオリビン外形が湾曲した組織が見られ、同様の組織は天然斑状コンドリュールには観察されなかった。一方より大きい冷却速度を経た試料には、天然試料に典型的な半自形から自形のオリビン結晶が見られた。これら結果に基づきコンドリュール形成時の冷却速度を推定する。