原始太陽系円盤における物質輸送やその混合過程に関する研究は、初期太陽系における微惑星材料物質の時空間依存性を理解する上で重要である。炭素質隕石と非炭素質隕石グループに見られる同位体二分性から、原始太陽系円盤の内側・外側領域における限定的な物質混合の描像が提案されている(e.g., Warren, 2011)。一方、炭素質隕石中のコンドルールの分析から、内側太陽系物質の外側太陽系輸送の痕跡が見つかっている(Williams et al., 2020)。しかし、この外側太陽系輸送の時期および効率は明らかになっていない。そこで我々は、初期太陽系における固体物質の輸送時期や効率を制約することを目的とし、コンドルールに対する酸素-クロム-チタン安定同位体とAl-Mg年代を組み合わせた研究を進めている。本研究では、Allende (CV3) 隕石中のコンドルールのうち、特異な岩石学的特徴を示すコンドルール3つに対する酸素-クロム-チタン複合同位体分析の結果を紹介し、初期太陽系における物質輸送について議論する。