日本地球化学会年会要旨集
2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
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G7 素過程を対象とした地球化学
マンガン酸化物中バリウムの吸着種解明に基づく固液分配や同位体分別の系統的理解
*植野 颯太伊地知 雄太平山 剛大柏原 輝彦臼井 朗山口 瑛子高橋 嘉夫
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p. 172-

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抄録

海洋中のバリウム(Ba)は生体必須元素ではないにもかかわらず、生物生産に依存してバライトが沈殿・再溶解することで栄養塩型の鉛直分布を示す。また、バライトの沈殿時に軽い同位体が選択的に取り込まれるため、海水のBa同位体比(δ137Ba)は重くなる。このことから、海水のδ137Baは海洋における生物生産量を反映すると考えられる。これまでは、この変化を記録する媒体としてバライトが用いられてきたが、それ自体が変化を駆動する物質であるため、変化後の状態を記録する別の担体が求められている。近年、マンガン酸化物がその候補として注目されており、Baが内圏錯体として吸着することで同位体比が保持される可能性が示唆されている。本研究では、合成したマンガン酸化物(δ-MnO2)への吸着試料や太平洋で採取されたマンガンクラストを用いて、Baの吸着形態の解析や同位体分析を行い、マンガンクラスト中のδ137Baが過去の海水の同位体比変動を反映し得ることを示した。

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