日本地球化学会年会要旨集
2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
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G7 素過程を対象とした地球化学
人工続成実験における炭酸塩生物殻の変質とスクリーニング手法としてのラマン分光分析の有用性
*山岸 滉明髙栁 栄子鈴木 勝彦菊田 宏之大藤 弘明坂井 三郎山本 鋼志井龍 康文
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p. 173-

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抄録

腕足動物などの炭酸塩生物殻を用いた古環境復元において,古い時代ほど酸素同位体値が低くなり,非現実的な高海水温が復元される“高温問題”が顕在化している.この問題の鍵となるのが,炭酸塩化石が被る埋没続成変質である.本講演では,現生試料を実験的に変質させる人工続成実験の手法(Fujioka et al., 2025)を用いて,高温高圧下における炭酸塩生物殻の挙動に迫ることを目的として,実験殻と初生殻の微細組織構造や化学組成(同位体組成や微量元素濃度)を比較すると同時に,新たなスクリーニング手法として期待される顕微ラマン分光分析を併せて行った結果を紹介する.同位体組成については,続成流体を介した同位体交換反応によって炭素・酸素同位体比が低値に改変されていた.また,ラマンスペクトルにおいて炭酸基(CO32-1ピークでピーク位置の高波数側へのシフトや半値幅の低下が認められ,これはラマン分光分析のスクリーニング手法としての適用可能性を示唆する.

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