主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
回次: 72
開催日: 2025/09/07 - 2025/09/19
p. 204-
希ガス元素は,地球化学分野において主にトレーサー元素として利用されている。これらは固体物質中に極めて微量しか含まれておらず,一次的には枯渇している。一方で,ウランやトリウムの放射壊変によるヘリウム生成や,カリウム-40の崩壊に伴うアルゴン生成などの二次的な起源により,固体物質中の希ガス元素比や同位体比は著しく変動する。このような変動は,物質の形成履歴や熱的イベントの復元に利用されている。本研究では,太陽系小天体の表層環境を物質科学的に解明することを目的として,太陽風起源ヘリウムに着目した。そこで,ヘリウムの局所分析手法(ヘリウムイメージング法)を新たに開発し,太陽風起源ヘリウムの局在を可視化することに成功した.さらに,局所的なヘリウム濃度の定量化を通じて,レゴリス粒子の表層露出期間(滞在期間)を推定することが可能となった。開発と隕石試料への応用の経緯に加え,当手法の空間分解能・感度の特性評価について紹介する。