日本地球化学会年会要旨集
2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
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G4 初期地球から現在までの生命圏の地球化学
ホウ酸触媒・加熱乾燥実験による荷電性ペプチドの前生物的合成
*伊藤 利範古川 善博
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p. 79-

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抄録

タンパク質は大半の生体反応を触媒する高分子であり、化学進化に大きく関与した可能性がある。その構成アミノ酸の中でも、酸性残基と塩基性残基は構造安定性と触媒活性の両面で重要だが、前生物的条件下でこれら荷電性アミノ酸を含む長鎖ペプチドの生成例はない。先行研究の多くは重合しやすいGlyに焦点が当てられており、加熱乾燥によってペプチドが長鎖化すること、ホウ酸による触媒によってさらに長鎖化することが知られている。本研究では、ホウ酸を含むアミノ酸混合溶液を加熱乾燥することで、酸性アミノ酸と塩基性アミノ酸の両方を含むペプチドが生成することが明らかとなった。さらに低pHほど長鎖化し、ホウ酸無添加では重合は確認されなかった。初期地球のホウ酸豊富な乾燥環境で正負両荷電残基を持つペプチドが形成し、RNA との相互作用を通じて生命へと化学進化していった可能性がある。

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