炭酸塩試料は、それが形成された当時の環境(温度,母液水の組成など)を定量的な化学的情報として記録するため、古海洋・古気候のプロキシとして重要である。本講演では、海洋変動のプロキシとなるサンゴ礁の海棲生物(サンゴと硬骨海綿)、大気変動のプロキシとなる鍾乳石(石筍)を用いた解析から、第四紀における季節スケール、数年〜数十年スケール、数千〜数万年スケールの気候変動を復元する研究例を紹介する。高精度かつ高分解能の環境解析によって、北西太平洋亜熱帯域の海洋表層では、過去数万年間において温度と水循環の数十年規模変動が顕著に存在することがわかった。