日本地球化学会年会要旨集
2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
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G5 古気候・古環境解析
アイスコアの一ヶ月解像度10Be分析による太陽活動プロキシの向上と環境指標開拓の可能性
*堀内 一穂八木橋 理子佐藤 里桜井上 颯人吉岡 恒星大森 智子飯塚 芳徳的場 澄人川上 薫石野 咲子捧 茉優松本 真依浜本 佐彩植村 立山形 武靖松崎 浩之
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p. 93-

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抄録

10Beは宇宙線と物質との相互作用で生成する宇宙線生成核種である。大気での10Beの生成率は、大気に到達する宇宙線の強度に比例し、これは太陽磁場(太陽活動)や地球磁場強度と負の相関関係にある。すなわち、アイスコア中の10Beが生成率の変化を忠実に反映していれば、過去の太陽活動や地球磁場強度変動を復元できることになる。一方で、10Beは成層圏で全体の2/3が生成すると見積もられている。これは成層圏で平均一年程度滞留した後、成層圏対流圏交換により対流圏に到達し、そこで降水などと共に除去されて雪氷層中に保存される。こうした輸送・堆積過程の情報は、10Beの季節変動にこそ強く記録されるはずであるが、これを十分解像できるような月解像度の10Be記録は、大気観測記録としてもアイスコア記録としても、これまで極めて限られた期間だけしか公表されてこなかった。本発表では、我々がグリーンランド南東ドームアイスコアより獲得した約一ヶ月解像度の10Be記録について、その性質と特徴を紹介する。

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