抄録
海洋研究開発機構(元海洋科学技術センター)では,1997年度から海洋底の地殻構造探査を行っており,様々な固体地球物理学データが蓄積されてきている.これらの探査データは,地下の速度分布や物性評価のための処理・解析や数値モデルの構築に利用される.その際,必要に応じて再解析を行い,信頼性を向上させる.統合的解釈・評価,数値モデル化した深部構造や物性はデータベース化し,今後の大きなプロジェクトの一つである統合国際深海掘削計画の掘削候補点選定・評価にも重要な資料となる.本稿では,このデータベースを用いた構造解析例を報告する.なお,データベースの一般への情報公開については補遺として記した.