情報地質
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フリーオープンソースソフトウェアを用いた 日本シームレス地質図Web Map Tile Service の利用法
野々垣 進西岡 芳晴川畑 大作根本 達也北尾 馨
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2013 年 24 巻 3 号 p. 125-132

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抄録

 20万分の1日本シームレス地質図(シームレス地質図)は,日本全域を統一凡例で描いた地質図である.この地質図は,Open Geospatial Consortiumが定めた標準サービスのひとつであるWeb Map Tile Serviceにより利用できる.しかし,WMTSが比較的新しい標準サービスであるため,シームレス地質図WMTSはまだ広く普及していない.本研究の目的は地質情報の利活用を促進するための環境を整備することである.本稿では,空間情報科学のためのフリーオープンソースソフトウェア(FOSS4G)を用いてシームレス地質図WMTSを利用する方法を述べた.FOSS4Gには次の4つを用いた: GDAL Utility Programs (GDAL UPs),Quantum GIS (QGIS),Leaflet,OpenLayers.また,シームレス地質図の利用目的に焦点をあて,各FOSS4Gの特徴を整理した.GDAL UPsは複数の範囲・ズームレベルでシームレス地質図を取得する場合に役立つ.QGISは,PC上のデータや他のWebサービスからのデータなど,さまざまな空間情報とシームレス地質図の重ねあわせに役立つ.LeafletとOpenLayersは,シームレス地質図を他の空間情報と共に表示するWebサイトの構築や,任意の地点におけるシームレス地質図の凡例情報検索に役立つ.結論として,FOSS4Gを用いれば,費用や使用制限に囚われないシームレス地質図の利用が可能となる.また,複数のFOSS4Gの併用により,地質情報と他の空間情報を利用した統合解析が可能となる.

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© 2013 日本情報地質学会
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