情報地質
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論説
地球科学的調査の進行に伴う地球情報エントロピーと分散の減少
正路 徹也
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2018 年 29 巻 2 号 p. 61-75

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抄録

地球科学的調査の進行に伴う精度の向上を把握するために,単純な地質からなるモデルを想定し,調査の各段階における地球情報のエントロピーと分散を求めた.モデルは,線分[0, 1]上の地質体の同定である.段階1では,線分の中点の地質を同定する.段階2では,この線分を3等分して得られる3分の1の各下位線分の中点の地質を同定する.段階3では,各下位線分をさらに3等分して得られる下位線分の中点の地質を同定する.以下,必要にして 十分な精度となる段階Kまでこの操作を続ける.最終段階Kに対して,段階kで求められるセルエントロピーsk/K と分散Vk/K の値で,調査の進行に伴う不確さの減少を示すことができる.特に,地質体の存在割合を完全ではなくほとんど二値の値で与えると,次の段階ではエントロピーあるいは分散が大きなセルの調査に重点を置く必要があることが示される.

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© 2018 日本情報地質学会
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