情報地質
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論 説
種の生存期間と時間的順序のグラフ表現-座標図の提案と活用-
山口 久美子塩野 清治
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2022 年 33 巻 1 号 p. 3-12

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抄録

種の生存期間や時間的前後関係を表示するための新しいグラフ表現法を提案する.生存期間がTである上位のタクソンΣを構成する種の集合をSo とする.ある種が時刻t = aに出現し,時刻t = bに絶滅したことを,横軸に種の出現時刻を表す時間軸をとり,縦軸に種の絶滅時刻を表す時間軸をとった2次元の座標図上の点(a, b)で表示する.この座標図はSo を構成する種の生存期間をひとつの図上にまとめて表示するとともに,種の生存期間の時間的関係を有向グラフとして表現する新しい手段を与える.座標図の活用例として,種の集合So から条件1(Sは時間的関係のもとで全順序集合となる)と条件2(どの時刻にも少なくともひとつの種が生存する)を満たす部分集合Sを選択するアルゴリズムを示す.このアルゴリズムは2つの制約条件を満たす部分集合Sの存在を保証する.

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© 2022 日本情報地質学会
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