2017 年 9 巻 2 号 p. 57-69
本稿は,2016年7月1日に施行された「中小企業等経営強化法」を念頭に,地域金融機関の中小企業等経営強化支援に関する実態調査を行った結果を報告するものである。「中小企業等経営強化法」では,中小企業等の管理会計能力向上支援に対して金融機関や会計専門家の役割が期待されているが,それらの役割がどのように果たされているのかについては十分な研究が行われていない状況にある。そこで,まず地域金融機関における中小企業等経営強化支援の取り組み状況について実態調査を行った。176行庫組の回答データを分析した結果,回答金融機関全般の傾向として,顧客企業の経営力向上計画策定支援やそのための外部専門家とのコラボレーションが積極的に行われていることがわかった。しかし,法人格別や総資産規模別の分析の結果,それらの取り組み状況には法人格や規模によって差がみられることも明らかとなった。