情報地質
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ばね・質点ネットワークモデルを利用した水理適合格子システムの形成
登坂 博行岩井 卓伊藤 一誠長冨 功
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1999 年 10 巻 3 号 p. 143-153

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抄録
流出解析や地下水解析など自然スケールの水理解析では, 計算機能力の制約の中で, なるべく適切に複雑な地形上・地層内の流れを表現することが必要となる.著者等は, 配列方向, 疎密などが領域形状に適合するような離散格子システムを「ばね・質点ネットワークモデル (Spring-Mass Network Model: SMNET) 」を用いて形成する方法を開発した.SMNETは, 質点同士がばねで連結されたネットワークであり, 地表面にかぶせられると, 地形の凹凸に従った質点の重力方向への移動とばねの張力による干渉により, 次第に系の全エネルギーが緩和され, 水理計算にある程度適合した格子システムが得られる.本論文では, SMNETを動かすための基礎となる地形デジタイズの方法, 及びP-splineによる領域内任意点標高計算方法について述べると共に, SMNETの詳細, および実流域の適合格子を作成した例を示した.
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© 日本情報地質学会
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