抄録
採取岩石の同定を目的として, 種々のファジー推論を組み合わせたデルファイ法の有用性について考察した.本研究で用いたファジー推論は, 1) 類似優先度比較法, 2) ファジーパターン識別法, 3) 消去法, および4) ファジーパターン識別法と消去法の組合せ, の4種類である.これらの手法を単独に用いた採取岩石の同定では, 最優先候補岩石名は同一となったが, 候補の順番については各手法の間でばらつきが見られた.この4種類のファジー推論にデルファイ法を適用して採取岩石の同定を行ったところ, 各手法を単独に用いた場合よりも候補順のばらつきが少なくなる結果を得た.