情報地質
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土質名を数値化したボーリング資料のスペクトル解析*
―スペクトル地盤図の土質柱状図推定への利用―
朝日 秀定弘原海 清塩野 清治
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1995 年 6 巻 1 号 p. 1-11

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抄録

本研究では, 地盤の土質と層厚の変化を知るために土質ボーリングにおける土質名を数値処理する方法を示す.筆者等は北海道室蘭市東部で得られた149点での12mまでの土質を解析した.土質名は13の継次カテゴリに分類し, カテゴリに1組の尺度値を当てはめた.数量化した土質ボーリング記録はHaar, Slant, Walsh関数系のスペクトルに変換した.最も情報を表現できる関数系を使って任意地点のカテゴリ化した柱状図の推定と地盤の土質状況を解釈するために, スペクトル地盤図を作成した.
得られた結果は以下の通りである:
1) 地盤の土質状況についての情報を最も豊富に与える関数はHaar関数系である.
2) Haar変換では, 大きなスペクトルが8個で全標本列の99%, 16個でほぼ100%の原標本列の復元できる.
3) スペクトルの直流成分は地盤の土質の状況について最も多くの情報が含まれる.
4) 直流成分の地盤図において, 数値が極端に大きい地域または小さい地域では数値土質柱状図の変化は小さい.

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