地質学雑誌
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論説
北海道駒ヶ岳の最初期テフラの発見と初期噴火活動史の検討
鴈澤 好博紀藤 典夫柳井 清治貞方 昇
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2005 年 111 巻 10 号 p. 581-589

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抄録
西南北海道亀田半島に分布する北海道駒ヶ岳起源の降下テフラの調査から,Ko-h(17 ka)より下位に5層のテフラが存在し,そのうち最下位のテフラ(E-x)はToyaより下位に位置することが明らかになった.テフラはいずれも,斜方輝石(30-48%)と単斜輝石(12-25%)を含み,斜長石とpm型ガラスに富んでいる.斜方輝石の屈折率はγ=1.706-1.713の範囲にある.これらの特徴からテフラはいずれも駒ヶ岳起源と推定される.最初期の噴火年代は,E-xはToyaの下位に位置すること,また,E-x下位の泥炭層の花粉分析から,MIS5dの中期と推定される.テフラ間に挟まれるレス質堆積物の層厚から推定して,E-xからKo-hの噴火サイクルは12-32 kaである.
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© 2005 日本地質学会
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