地質学雑誌
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論説
北海道の十勝川・天塩川・石狩川沖の表層堆積物における淡水生珪藻遺骸の広がり
嵯峨山 積
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2006 年 112 巻 10 号 p. 594-607

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抄録
北海道の3大河川である十勝川,天塩川および石狩川の河口沖の表層堆積物について珪藻分析を行い,淡水生種殻の割合と分布を明らかにし,その意義を考察した.表面から厚さ数cmの表層堆積物から得られた淡水生種の産出率を,河口から採泥地点までの直線距離,汀線と採泥地点までの最短距離,深度との関係について検討した.産出率は河口から沖合へ徐々に減少し,淡水生種は海水により河口から沖合へ運搬されていると推定され,その分布は沿岸の流れの研究にとって重要な資料となる.
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© 2006 日本地質学会
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