地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
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論説
美濃帯左門岳ユニットの堆積相と堆積環境
小林 祐哉大塚 勉
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2006 年 112 巻 5 号 p. 331-348

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抄録

根尾-和泉地域の美濃帯左門岳ユニットでは,近年の著者らの研究により,岩相・構造・年代・変形構造・弱変成作用の検討が行われ,構造形成過程が明らかにされた.しかし,その堆積環境は,砂岩の卓越する単調な岩相や強い変形のため不明であった.この研究では,まず高い頻度で発達する断層の出現位置と岩石の放散虫化石年代の変化を比較することによって,断層による層序の改変や重複の程度を検討した.その上で,堆積環境の検討のため,2つの断層に挟まれた整合な部分のみを用いて,堆積相の累重関係の検討を行った.その結果,砂岩優勢部では,17個の堆積相が認められ,それらは5個の堆積相組み合わせにまとめられる.堆積相組み合わせは,チャネル充填堆積物,ローブ状堆積物,ローブ縁辺部の堆積物,半遠洋~遠洋性堆積物を示す.砂岩優勢部の堆積環境は,ローブ状堆積物が卓越することから,海溝底に形成された海底扇状地が示唆される.

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© 2006 日本地質学会
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