地質学雑誌
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論説
山陰地方西部の古第三紀コールドロンにおける火山岩類および火山砕屑岩類の変質作用
歌田 実
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2006 年 112 巻 6 号 p. 415-429

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抄録

山陰地方西部には7つの古第三紀コールドロンが知られている.各コールドロンは主として安山岩類およびフェルシック岩類により構成されている.これらは変質鉱物の組み合わせにより,カルデラ型中性変質帯,ホルンフェルシック変質帯,熱水変質帯,(風化変質帯)に区分される.
カルデラ型中性変質帯は緑泥石-スメクタイト系粘土鉱物を特徴鉱物とし,全てのコールドロン中に広く分布している.この変質帯は,さらに弱変質帯,スメクタイト帯,(スメクタイト-緑泥石)混合帯,緑泥石帯に区分される.4帯の分布は続成作用の場合と異なり,層序に従った累帯分布をしていない.ホルンフェルシック変質帯は緑泥石帯の組み合わせに,角閃石または黒雲母を伴うもので,貫入岩体の周辺に生成している.これらに重複して生成している熱水変質帯は,珪酸塩鉱物を特徴とする8帯,炭酸塩変質帯,硫酸塩変質帯の計10帯に分けられる.

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© 2006 日本地質学会
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