地質学雑誌
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日本地質学会第113年学術大会 2006年 高知 見学旅行案内書
四国中央部三波川変成岩上昇時の変形構造
遅沢 壮一竹下 徹八木 公史石井 和彦
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2006 年 112 巻 Supplement 号 p. S101-S116

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抄録

本見学コースでは,三波川変成岩が後退変成作用を受けつつ上昇して来た時に形成された変形構造(D1,D2およびD3時相に形成された構造)を観察する.このうち,著しい東西塑性流動で形成されたD1変形構造と,鉛直の開いた東西方向の褶曲群で特徴付けられるD3変形構造は識別が比較的容易であり,本見学コースで数地点において観察する.一方D2変形構造はこれまで必ずしも明確でなかったが,最近著者らは,その実体や上昇テクトニクスにおける意味を明らかにしつつあり,本見学コースの重要な観察・議論の対象として取り上げる.第1日目では汗見川流域の高度変成岩中に発達する,D2褶曲やスラストおよびデタッチメント正断層が観察の見所となる.第2日目には,中央構造線近傍国領川流域の変形帯で,D2正断層およびそれを転位させるD3褶曲を観察する.ここでは,D2の北北西方向への運動方向を示す石英スリッケンファイバーも観察する.

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© 2006 日本地質学会
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