地質学雑誌
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論説
山口県における白亜紀吉部コールドロンおよび関連岩類のK-Ar年代:西中国地域における白亜紀火山-深成活動の時空変遷
岸 司今岡 照喜東風平 宏西村 祐二郎板谷 徹丸
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2007 年 113 巻 9 号 p. 479-491

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抄録
西中国地域における白亜紀火山-深成活動の時空分布を明らかにするために,山口県に分布する周南層群禅定寺山層の模式地である吉部コールドロンとそれを貫く岩郷山花崗岩,およびそれらに対比される山口コールドロンと四熊地域の深成岩類の角閃石と黒雲母のK-Ar年代を測定した.
今回得られた年代と既報年代は,周南層群と関連貫入岩類の活動がおおよそ100-90 Maに行われたことを示し,前期白亜紀関門層群と後期白亜紀阿武層群の中間に位置づけられる.関門層群の火山活動(関門期: 110-100 Ma)は西中国地域の瀬戸内側から日本海側までの広範囲で行われた.周南層群と関連貫入岩類の活動(周南期: 100-90 Ma)は中国脊梁山地の南部(瀬戸内海側)に限定されるが,それに引き継ぐ阿武層群と関連貫入岩類の活動(阿武期: 90-80 Ma)は脊梁山地およびその北側(日本海側)に移行した.
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© 2007 日本地質学会
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